AT・セレスピード・デュアロジック
近年の日本は車両の長期保有化が進み過走行車が多くなりましたね。
その一方で、重要な動力伝達装置のオートマチックトランスミッション フルード(ATF)の無交換車が増えており、故障やトラブルが発生しています。
ATFとは?
ATFとはオートマチックトランスミッションフルードのことです。
クルマにはクラッチを自分で操作するミッション車と、機械が自動で変速してくれるオートマチック車があります。
現代においてはかなりオートマチック(AT車)が普及し、ATの種類も増えました。
アルファロメオのようにセレスピードや、無段変速のCVTなどミッションも進化しています。
機械が進化するように、オイルも進化しており、メーカーはミッションオイル(ATF)の交換を推奨していないものもあり、実際にディーラーでもATF交換をしてくれないことがあるようです。
これはATFが車の乗り換え時期までもてばよいという考えや、下手なオイル交換をして余計なトラブル発生の原因を作りたくないという考えがあるのかも。
しかしATFは劣化する以上タイミングをみて交換したほうがいいのです。
日本はATFに“過酷?
日本の道路事情は“ストップ アンド ゴー”が頻繁。
狭い日本、走行と停止の繰り返し。休日は常に渋滞。
こんなコンディションは機械には良くはない、止まったり走ったりが頻繁だと機械は熱を持ちます。
ATFはその熱を吸収し高温になり劣化が加速するのです。
輸入車の多くの当然ながらヨーロッパ本国でのテストを繰り返しているので無交換を推奨しているのですが“ストップ アンド ゴー”大国日本はヨーロッパとは状況が違うのですよ!
ストップアンドゴーは同じ領域のギヤを行ったり来たりします。
ATの中には電磁バルブなどがありますから熱を帯び、頻繁に動く電磁バルブはダメージを受けやすくなるのです。
(なので2速や3速のトラブルが多いのかな)
また日本の気温の寒暖差や高温多湿な気候条件も、ATFにとっては過酷な状況です。
劣化したATFが自然回復するなんてことは有り得ないので、交換せずに使用するとATFの酸化が進み、本来の性能発揮することが出来なくなるんです。
ATFの酸化が進むとAT内部のゴム系部品が硬化し、そこから油圧漏れなどをおこしATのトラブルにつながるんですね。
巷の疑問
ATFに関する様々な疑問やウワサがあると思う。
ATFは交換してはいけない?
そんなことはないです。
交換の仕方や施工店のチョイスを間違えなければATFは交換すべきです。
ATFチェンジャーなるものを使い圧送式で交換するものは新しい車両以外あまりオススメできないですね。
古くなったATFには大量の鉄粉、スラッジゴミが混ざっています。
圧送式だとこれらの余分なものをAT内部の毛細血管のような油路に送り込んでしまう可能性があるからです。
ではどうするのがいいのか?
面倒ですがATのオイルパンを一度脱着して蓄積した鉄粉などを綺麗に排出してしまう。
当然オイルパンを外したついでにATのフィルターも一緒に交換。
それから新しいオイルを充填してあげればいいのです。
かなり面倒で知識と経験が必要ですがこれが一番安全で確実。
(一部作業できない車両も希にありますが・・・)
ATF交換一度ご相談ください
お客様のお車にとって良い方法を考えます。
セレスピード・デュアロジック
セレスピードとはフェラーリのF1技術に端を発し、MT操作にATモードも備えた画期的な2ペダルのクルマです。
ミッションを電子制御のアクチュエータでクラッチ操作します。
これはマニエッティ・マレリとアルファロメオとの共同開発の技術で、日本には1999年に発売されたアルファ156からデリバリーされてますね。
そしてデュアロジックとは、フィアットのオートマチックトランスミッション(自動変速装置)の名称です。
やっていることはアルファロメオのセレスピードと同じ。
分類的にはセミオートマチックですね。
このデュアロジックは、車全体の状況を把握し、クラッチを切るタイミングや何速に入れるかを判断しています。
機械的なパーツはセレとデュアロジックでは少し異なりますが、システム的には同じです。
この自動変速システムは正直けっこう故障が多い。
ごく普通に作動していても、あるとき突然リバースに入らなくなったり、あるいは妙に時間がかかったり、シフトアップしようとしてもなぜかニュートラルになってしまったり……というのがよくある症状だ。
これには色んな要因があり、トラブル事例も様々
故障の原因になっている個所も様々なのですが、事例として一番多いのは油圧不足。
当然本来マニュアル車であれば人間が頭と体を使いギヤを切り替えて走っていく。
その人間の代わりをコンピューターと油圧が行っているので負担は想像を超えるものがあるはずです。
なのでオイルはかなり酷使され劣化もエンジンオイル並
そのセレオイルやデュアロジックオイルを交換しないとどうなるか?
酷使されたオイルは汚れ流動性が悪くなり、オイルを組みだすポンプは負担が増え、負担が増えればポンプ内のモーターにかかる負担も増えるので熱が発生
そうするとポンプの故障や、その他の部分へも影響を及ぼします。
ということで出来ればセレオイルやデュアロジックオイルは定期的な交換が望ましいのです。