ルノー カングー エンジン不動 タイミングベルト切れ
2023年7月17日海津市のT様のルノー カングーの入庫です
タイミングベルトが切れたのでエンジンを載せ替えをしてほしいとのことでご相談を受けました。
オーナー様のお話をお伺いしていると今までは地元の整備工場さんで車検やら整備を行っていたそうです。
そちらで整備依頼をしたら作業できないということで断られたそうです
困ったオーナー様はネットで当社を見つけられてご相談にお越しになりました。
車は自宅で不動になっており、整備可能ならばレッカーで搬入したいとのことです。
状況的にタイミングベルトが切れたということだったのでエンジンの載せ替えということです。
走行が128000km台ということでオーナー様にも車両の価値的に廃車のほうが良いのでは?という提案もさせていただきましたが、思い入れのある車でどうしても直して乗り続けたいと強いお気持ちだったので、了承して今回レッカーにて搬送されてきました。
入庫後セルを回してみると確かにタイベルが切れたような軽い音でエンジンが回りますが始動はしませんでした。
タイミングベルトカバーを取り外してタイミングベルトの状態を確認すると・・・
あれ?タイミングベルトは切れていませんね
しかしタイミングベルトの端側がボロボロになってます
これはタイミングベルト切れではなく、コマ飛びではないだろうか
ウォーターポンプや、テンショナー、アイドラー等のベアリングが破損して固着
その上をタイミングベルトが回るのでベルトがボロボロになり
いったんエンジンを止めて、再度再始動するときにベアリング等の抵抗でコマ飛びしたのかもですね。
状況をオーナー様に報告し、タイミングベルトは切れていないがエンジンはダメなことは間違いなく載せ替えが一番安く直す方法であることもお伝えし、結果予定通りエンジン載せ替えで作業をすることになります
カングーはエンジンを降ろすのに前回りをすべて取り外します。
見るとかなり大変そうに見えるかもですが、上からとか下からエンジンを抜くよりはかなり作業的には楽なんです。
油脂類、水系すべて抜き取り
もちろんエアコンガスもです
こんな感じでバラバラです
たまたま来たお客さんたちはこういった光景を見ると皆さん同じことを言われます
「これをまた元に戻してエンジンかかるようにするのがすごいよね」って。
一応これ仕事なんで(;^ω^)できないとヤバいですよね。
エンジン降ろしました
見てもらったようにミッションごと降ろします
当たり前ですね。
エンジンとミッションを切り離して各種センサーや補機類もすべて取り外します。
エンジンが無くなったエンジンルーム内は何もないです
配線などが雑然とあるだけ
中古のエンジンのタイミングベルトを交換して補機類等を移植
そしてミッションを切り離しているのでミッションを組む前にクラッチを交換
もともとの距離も距離だったのと、ミッションを降ろした際の鉄則なのでクラッチは絶対に交換です。
クラッチ交換完了したらエンジンとミッションを再びドッキング
そのまま今度はエンジンを載せていくわけです
エンジンを載せて配線等を元に戻して、ラジエータホースやヒータホースなどのホース類を組み付けし、取り外したラジエーター、電動ファン、ヘッドライトなど順番に元に戻していきます
すべてが組付け出来たらエンジンオイルやミッションオイル、クラッチオイルのエア抜きなどを行います。
油脂類の補充が終われば冷却水を注入していよいよエンジンを始動させます
毎回この瞬間は緊張します
何度やってもちゃんとエンジンかかてくれよ!って祈るような気持ちになります
エンジン始動!見事にかかります。
当たり前なんですけどね
冷却水のエア抜きを行いエア抜き完了後、エアコンガスのチャージを行います
カングーは高圧カプラーしかないので専門店さんじゃないと普通のお店ではガスチャージはできないかもですね。
ガスチャージ完了後試運転をおこないます
違和感なく、加速減速も問題なし
30分くらい試運転し、戻ってテスターにてチェック
異常コードも拾っていません。
あとはしばらく試運転を行い1週間くらい様子を見てオーナー様にお返ししたいと思います。